2日間の変身 in TMAF2014

2014.6.21

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2014年6月21日から22日まで2日間、北海道の有名温泉地である洞爺湖温泉街でTOYAKOマンガ・アニメフェスタ(以下、TMAF)が開かれた。2010年からはじまり今年で5年目を迎えるTMAFは、マンガ、アニメ、ゲーム、ボーカロイドなどポップカルチャーをテーマに2日間町全体でパレード、痛車展示、コスプレ(コスチュームプレイの略)コンテスト、アニメーションの原画展、同人誌即売会などが行われるイベントである。

TMAFは、日本のポップカルチャーの熱心なファンである町の若い世代が中心になって企画された。多くの日本の地方がそうであるように、洞爺湖町も高齢化が進み、2010年を基準に65歳以上人口は35%を超えている。2008年には洞爺湖町でG8サミットが開かれたものの、直接な経済効果はあまりなかったという。こうした状況のなか、町の若者たちは自ら楽しみながら町を活気づける方法としてTMAFを企画したのである。しかし、だからといってTMAFがまちおこしを目的としているのではない。主催側は、なにより自分たちが楽しめるイベントでなきゃいけないことを口癖のように言っており、そうした主催者と参加者が同じ目線となるスタンスは、一緒にイベントを作っていくという感覚を与え、TMAFが年々発展する原動力となっている。

TMAFの一つの特徴は、町全体がコスプレ会場になることだ。日本のほとんどのコスプレイベントが屋内の会場または限られた空間のなかで行われることに比べ、TMAFでは洞爺湖温泉街がまるごとコスプレ会場となる。町全体をコスプレ会場にするという発想は、はじめは主催側にもかなり負担だったという。初年度には住民を説得するために説明会も開いたが、人はそれほど集まらなかった。ところが、いざTMAFがはじまり、大勢の若者がコスプレ姿で温泉街に集まるようになったら、それを見た町の人たちが動き始めた。現在は、住民をはじめ、温泉街のホテル従業員、郵便局の職員、コンビニの店員など様々なお店、施設の人がTMAFの期間中にコスプレをするようになり、それを見るのがTMAFの一つの楽しみとなった。特に、親子コスプレ、子どもコスプレはほかのイベントではなかなか見ることのできない、TMAFならではの名物である。

主催側の情熱、主催者、住民、参加者が一緒になって楽しむお祭りのような雰囲気とともに、TMAFの参加者は年々増加している。初年度の3,000人から2011年には1万人、2012年の3万人を経て今年は2日間で約57,000人が参加し、TMAFは北海道で最も大きなポップカルチャー系イベントとして定着している。

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