例の階段~『アンタッチャブル』と『戦艦ポチョムキン』

2015.3.30

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銃撃戦の中、駅の階段を落ちていく乳母車。米映画『アンタッチャブル』(The Untouchables/1987)で、強烈な印象を残すシーンのひとつです。このシーンが撮影されたのが、米国シカゴのユニオン駅(Union Station)。同駅内、「グレートホール」(Great Hall)と呼ばれる大待合室に下る階段がそれです。今回、幸いにもシカゴを訪れる機会があり、早速ユニオン駅に向かいました。

ところが、駅に到着するや、大きな問題がひとつ…。グレートホールに下りていく階段が2箇所あり、全く同じデザインなのです。

そこで、駅員さんに、どちらの階段が実際の撮影に使用されたものなのか、尋ねてみることに。その駅員さん、近くにいた何人かの駅員さんを集めて、誰か知っているひとはいないか聞いてくれました。そして、その中のベテラン風の恰幅の良い駅員さんが当時のことを御存じだったようで、「あっちだよ!」と教えてくれた次第。今でもその誇らしげな顔が忘れられません。

例の階段、グレイトホールから階段側を見たときに、向かって右手の階段だそうです。

ところで、『アンタッチャブル』のこの階段シーン、旧ソビエト連邦のサイレント映画『戦艦ポチョムキン』(Battleship Potemkin/1925)のオデッサの階段シーンの引用です。同シーンへオマージュを捧げた作品の中でも、『アンタッチャブル』は最も有名な例ではないでしょうか。

たかが階段、されど階段。何気ない階段なのですが、20世紀の映画史の流れを「語る」階段でもあるわけです。グレートホールの待合ベンチに腰掛けつつ、そんなことを考える、何とも贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
駅員の皆さん、有難うございました!!

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