「演出」・「演技」・「遊び」 〜世界コスプレサミット(WCS2015)参観記〜

2015.8.4

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毎年8月、名古屋では世界コスプレサミット(以下、WCS)が行われます。13年目を迎える今年は、26の国からコスプレイヤーが参加しました。そのハイライトは、各国の参加者からチャンピオンを選ぶ、コスプレチャンピオンシップです。
さて、チャンピオンシップとは別に、会場の周辺では様々なイベントが行われ、日本のコスプレイヤーが沢山集まっていました。彼/彼女らの行動は、チャンピオンシップの参加者と似ているようで異なっていました。実はその違いこそ、日本そして世界のコスプレ文化を知るための一つの鍵だと思います。
和製英語の「コスプレ」は、いまや世界中で使われています。「コスチューム」の解釈には異論がないですが、問題は「プレイ」の部分です。「プレイ」を巡っては、海外でも活発に議論されていて、韓国では「演出」、「演技」、「遊び」と解釈します。WCSのコスプレをこの三つに当てはめてみました。まず、日本でよく見られる小グループ撮影会です。コスプレイヤーとカメラマンが一時的なチームを組んで撮影を行うパターンです。個人のキャラクター表現が中心になるので「演技」の要素が強いと思います。次に、チームを組まない個人参加です。具体的な目的がない「遊び」に近いパターンです。最後にパフォーマンス系です。多くの人に向けて表現するパターンで、外部条件の影響を受ける完結した表現という特徴から「演出」に近いと思います。ヨーローッパに多く、WCSのチャンピオンシップもこれに該当すると思います。
外から見るとアニメやマンガの服を着た同じ集団に見えるコスプレイベントですが、実は文化圏や個人の趣向によって一つのイベントにも多様な参加形態が見られます。言い換えれば、参加形態の数ほど多くのコンテンツの楽しみ方があるということでしょう。

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